
🌿 ウェルネス習慣シリーズ 第15回
毎日を少し心地よくするためのヒントをお届けするシリーズです。
私たちは、一日におよそ2万回、呼吸をしていると言われています。
そのほとんどは、意識しないまま行われています。
忙しいとき、緊張しているとき、画面に集中しているとき。
気づかないうちに呼吸が浅くなったり、ふと止まっていたりすることがあります。
このシリーズでも、「深呼吸をしてみましょう」という言葉は何度も登場してきました。
今回は、その「呼吸」をじっくり取り上げます。難しい呼吸法ではなく、忙しい毎日の合間に「ひと息」を取り戻すための、7つの小さな習慣をご紹介します。
「呼吸が浅くなっているかも」に気づく
呼吸を整える第一歩は、正しい呼吸法を覚えることではありません。まず、「いま自分の呼吸はどうなっているか」に気づくことです。
たとえば、こんなサインはありませんか。
- パソコンやスマートフォンに集中しているとき、息を止めている
- 気づくと肩が上がっていて、首まわりがこわばっている
- 口が少し開いたまま、口で呼吸している
- ため息が増えた、と感じる
どれも、多くの人に起こっていることです。「呼吸が浅い自分はダメだ」と思う必要はありません。気づけたこと自体が、すでに整えるための一歩になっています。
🌿 POINT
呼吸は「正しくやる」より「気づく」ことから。浅くなっていると気づいた瞬間に、いちど「ふー」と吐くだけで十分です。それ以上のことは、できるときにやればいいのです。
今日からできる7つの呼吸習慣
1.「吸う」より先に、「吐く」から始める
深呼吸というと、大きく吸い込むイメージがあるかもしれません。でも、おすすめは逆です。まず、いま肺に入っている息を「ふーっ」と吐き切ってみましょう。
しっかり吐けば、吸うほうは自然に体がやってくれます。「深く吸わなきゃ」と頑張らなくていいので、緊張しているときほど取り入れやすい方法です。
吐くときは、口からでも鼻からでも構いません。吐き切ったあと、ひと呼吸だけ、体に空気が入ってくるのを待ってみてください。
2.吐く息を、吸う息より少しだけ長くする
慣れてきたら、「吐く息のほうを少し長く」してみましょう。
たとえば、4つ数えながら吸って、6つ数えながら吐く。数えるのが面倒なら、「吐くほうを長めに」と意識するだけでも構いません。
ゆっくり長く吐くと、体がリラックスモードに切り替わりやすくなると言われています。信号待ちや、会議が始まる前の数十秒でできる習慣です。
3.肩を下ろして、お腹で呼吸する
呼吸が浅くなっているとき、多くの場合、肩が上がっています。まず、肩をストンと下ろしてみましょう。
そのまま、片手をお腹に軽く当てます。吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにへこむのを、手のひらで感じてみてください。いわゆる「腹式呼吸」ですが、難しく考える必要はありません。手を当てるだけで、呼吸は自然と深くなっていきます。
座ったままでも、寝る前に横になった状態でもできます。お腹の動きを感じられないときは、横になって試すとわかりやすいです。
4.わざと、ため息をつく
ため息は、体が勝手にしてくれる「リセット」のような呼吸です。がまんせず、むしろ意識的についてみましょう。
人目が気になるなら、声を出さずに「はぁー」と長く吐くだけで大丈夫です。トイレや給湯室、エレベーターの中など、一人になれる場所で試してみてください。
鼻から吸って、さらにもう一度だけ少し吸い足してから、口から長く吐く。この「二度吸って、長く吐く」呼吸は、近年、研究でも注目されている呼吸のひとつです。気持ちを切り替えたいときに、ひとつだけ試してみてください。
5.「呼吸のきっかけ」を決めておく
「呼吸を意識しよう」と思っていても、忙しいと忘れてしまうものです。そこで、すでに毎日ある場面と、呼吸をセットにしてみましょう。
- 信号待ちの間に、ひとつ長く吐く
- パソコンが起動するまでの間に、3回呼吸する
- 湯船に入った瞬間に、大きくひとつ吐く
- メールを送信したら、肩を下ろしてひと息
「待ち時間」は、呼吸のための時間にぴったりです。一つだけ、自分の生活に合うきっかけを選んでみてください。
6.鼻で呼吸していることを、思い出す
集中しているときや疲れているとき、気づかないうちに口で呼吸していることがあります。
鼻を通った空気は、温められ、湿り気を帯びて体に入っていきます。鼻呼吸は、体にとってやさしい呼吸だと言われています。
「口が開いていないかな」と、ときどき確認してみるだけで十分です。鼻がつまっているときは無理をせず、楽なほうで呼吸してください。
7.寝る前に、布団の中で1分だけ呼吸を数える
一日の終わりに、布団の中でお腹に手を当てて、呼吸を数えてみましょう。「吸って、吐いて」で1回。10回まで数えたら、それで終わりです。
眠るための呼吸、と考えなくて大丈夫です。途中で眠ってしまっても、10回数えても眠れなくても、どちらでも構いません。「今日の一日を、ここで終える」という合図として使ってみてください。
数えている途中で考えごとが浮かんできたら、そのまま、また1から数え直せばいいのです。
💡 WELLNESS NOTE
心臓の鼓動や体温のように、体が自動で調整しているものはたくさんあります。そのなかで、自分の意思でゆっくりにしたり、深くしたりできるのは呼吸だけ、と言われています。だからこそ、呼吸は「いつでも、どこでも、道具なしで」自分を整えられる手段になります。ただし、頑張って深く吸おうとすると、かえって苦しくなることもあります。合言葉は「まず、吐く」です。
「深く吸わなきゃ」と頑張らなくていい
呼吸を意識し始めると、つい「大きく、深く」とがんばってしまいがちです。でも、勢いよく吸い込みすぎると、かえって胸が苦しくなったり、頭がふわっとしたりすることがあります。
呼吸を整えるコツは、「量」ではなく「ゆっくり」です。とくに、吐くほうをゆっくりに。それだけで、呼吸は自然と落ち着いていきます。
「ちゃんとできているかな」と気になるかもしれませんが、正解はありません。自分が楽だと感じる呼吸が、そのときの正解です。
続けるコツは、「短く、何度でも」
呼吸の習慣は、10分まとめてやるより、1分を一日に何度か繰り返すほうが続きやすく、日常になじみます。
今回ご紹介した7つは、どれも数十秒から1分程度。全部を覚える必要はありません。「吐くから始める」だけでも、「ため息をつく」だけでも、それで十分です。
忘れた日があっても、また気づいたときに、ひとつ吐く。それを繰り返しているうちに、呼吸は少しずつ、あなたの味方になっていきます。
🌿 今日の小さな一歩
いま、この文章を読みながら、肩をストンと下ろして、ひとつだけ長く息を吐いてみませんか?
吸うのは、体にまかせて。それが今日の「呼吸を整える」第一歩です。
こんなときは無理をしないで
呼吸の習慣はどれも穏やかなものですが、体の状態によっては注意が必要です。
- 呼吸を意識している途中で、めまい、手足のしびれ、気分の悪さを感じたとき
- 呼吸器や心臓に持病があるとき、妊娠中のとき
- 過去にパニック発作や過呼吸を経験したことがあるとき
こうした場合は、すぐにやめて普段の呼吸に戻し、必要に応じて医師に相談してから取り入れるようにしましょう。息を長く止めるような方法は、この記事では取り上げていません。無理に息を止めることも避けてください。
また、呼吸の習慣は、体調不良の治療の代わりになるものではありません。息苦しさや動悸が続く場合は、自己判断せず、医療機関に相談してください。
まとめ
呼吸を整えるために、特別な呼吸法を覚える必要はありません。
- 「吸う」より先に、「吐く」から始める
- 吐く息を、吸う息より少しだけ長くする
- 肩を下ろして、お腹で呼吸する
- わざと、ため息をつく
- 「呼吸のきっかけ」を決めておく
- 鼻で呼吸していることを、思い出す
- 寝る前に、布団の中で1分だけ呼吸を数える
全部やらなくて大丈夫です。まずは一つ。
一日2万回の呼吸のうち、ほんの数回を「自分のための呼吸」にするところから始めてみましょう。
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